三宅長春軒文庫
市総合図書館  郷土・特別資料室内
 

 三宅安太郎氏略歴

 

明治35年5月 博多区大博町にて出生

昭和26年   福岡県文化財専門委員

昭和47年   福岡市文化財専門委員会委員

昭和48年   福岡県教育文化功労者表彰

昭和57年4月7日 79歳で逝去

昭和57年   福岡市教育委員会表彰

 三宅 安太郎(号  酒壷洞) 氏は、仙涯研究の第一人者であった。
 また、荻原井泉水 門下の 層雲派の俳人でもあり、同門の 種田山頭火の良き理解者であった。
 そして博多学に関しては、郷土史家の 故 筑紫 豊 氏とともに双璧であった。
 
  氏は、終戦後『日本復興は、地域文化の復興を俟って達成されるべき』と考え、郷土史関係、
  特に民俗芸能の研究に意を用い 諸種の資料を収集した。また略歴に挙げた各公職につき、活躍
 した。
 
  筑紫 豊 氏は、三宅氏の愛書について、『それは、単なる形而上の愛書ばかりでなく書籍、
 雑誌、コピーの類に至るまで、凡そ価値ある文献の収集と保存要領の丁寧さにある。部類を立て 
 て、帙を作り、見出しを施し、形而下的にも 一個の書屋として、訪客をして敬愛の心を抱かさず 
 には おかない。書屋、号して長春軒という。』と評している。
 
  この三宅氏が収集愛蔵した1万7000余点の全資料が 市に寄贈され、整理されたのち
 「三宅長春軒文庫目録」が発刊され、一般に公開された。( 昭和61年 )
 
 1)仙涯和尚関係資料:仙涯和尚に関する史料、語録、書画等が網羅的に収集されており、
 研究資料として極めて貴重なものである 
    
 2)近世資料(古文書、書画類):黒田家関係資料、藩政関係史料、博多資料(博多山笠、博多
 人形 宗七焼、博多古図、博多寺院等)、立花実山資料の他、大岡文書(勘定所関係)、
 三好文書(浦方 寺社関係)がある。 
   
 3)仏教関係図書資料:図書8,697冊
 
 4)俳句関係図書・雑誌:戦前収集の山頭火の日記にも出て来る「層雲文庫」は博多大空襲で、  
 『焼けあとそのままのかたちが蔵書の灰』となり、貴重な 山頭火からの葉書や写真などと共に
 失われてしまった。現在のものは、戦後に再収集されたものである。
                                「三宅長春軒文庫目録」よりhttp://toshokan.city.fukuoka.jp/docs/search/search.htmlshapeimage_2_link_0

還暦祝いの三宅酒壺洞氏と蔵書の一部


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